クーリングタワーは、工場や発電所などの冷却水を冷やすために使用される装置です。機械やプロセスで発生する熱を効率的に放散し、冷却水の温度を下げる役割を担います。
工場の冷却システムの一環として、クーリングタワーが適切に稼働しないと、機械の過熱による生産効率の低下や設備故障のリスクが高まります。また、冷却水の温度が適切に管理されていないと、品質不良や生産ラインの停止につながることもあります。そのため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
本記事では、クーリングタワーの故障原因から修理・メンテナンスについてご紹介します。
クーリングタワーによく発生する故障とその原因
クーリングタワーは長期間の稼働によって様々な故障が発生します。以下は代表的な故障とその原因です。
スケールの蓄積
水中のミネラル成分が蒸発に伴って析出し、配管や熱交換器にスケールが蓄積します。スケールが蓄積すると熱伝導率が低下し、冷却効率が著しく悪化します。これにより、冷却能力の低下だけでなく、ポンプや配管に負荷がかかり、最終的には設備の故障につながります。スケールの発生を防ぐためには、適切な水処理と定期的な清掃が必要です。
バクテリア・藻類の繁殖
湿度と温度が適した環境では、バクテリアや藻類が繁殖しやすくなります。そのため、水路の詰まりやスリップの原因となり、冷却能力の低下を引き起こします。特にレジオネラ菌などの有害な細菌が繁殖すると、健康被害を引き起こす可能性があり、法規制に従った管理が求められます。藻類や細菌の発生を防ぐためには、定期的な薬剤の投入や水質管理が不可欠です。
ファンモーターの不具合
クーリングタワーのファンモーターが摩耗や過負荷によって故障することがあります。ベアリングの劣化や電気系統のトラブルが主な原因です。ファンが正常に動作しないと、空気の流れが滞り、冷却効率が大幅に低下します。ベアリングのグリス切れや振動の増加は故障の前兆となるため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
配管の腐食・漏れ
水質管理が不十分な場合、金属配管が腐食し、漏れが発生することがあります。これは長期間放置すると設備全体の損傷につながります。腐食の進行は、使用する冷却水のpHバランスや水処理の状態によって異なります。腐食防止のためには、防錆処理やコーティングの施行が有効です。
クーリングタワーの故障を未然に防ぎ、長寿命化させるためには定期的なメンテナンスが必要です。以下に主なメンテナンス項目を紹介します。
クーリングタワーのメンテナンス項目
充填材
汚れ、スケール、スライムの付着はないかを確認します。充填材が詰まると冷却効率が低下し、適切な熱交換が行えなくなります。定期的な清掃や交換が必要です。
水質
水槽の水質に濁りはないか、異臭はしないかをチェックします。水質が悪化するとスケールの蓄積やバクテリアの繁殖が進み、設備の寿命を縮める原因となります。
異音
送風機モータや冷却水ポンプモータから異音(いつもと違う音)がしないかを確認します。異音が発生している場合、ベアリングの劣化や電気系統の不具合が考えられ、早急な点検と修理が必要です。
電流計数値
計器の数値が正常範囲内かを目視確認します。異常な電流値は、モータの過負荷や電気系統のトラブルの兆候となるため、注意が必要です。
圧力計数値
冷却水ポンプの圧力計が正常な範囲内かをチェックします。圧力が異常に高い場合は配管の詰まり、異常に低い場合は漏れやポンプの故障が疑われます。
クーリングタワーの修理工事事例
クーリングタワーの老朽化による修理
こちらの事例では、クーリングタワーの長期使用による駆動部分の故障で、冷却が十分に出来ていませんでした。
お客様と現場で状況を確認した結果、新品への入れ替えも選択肢にありましたが、既設品の撤去や新品本体の購入、設置工事費などを含めると高額な費用が発生するため、可能な限り既設品を修理できるか調査してほしいとのご依頼をいただきました。そこで、既設品のメーカーに確認したところ、現在も部品の供給が可能であることが判明したため、メーカーから分解図を提供していただき、故障箇所に必要な部品を手配しました。修理作業についてはお客様ご自身で交換を実施されたため、新設する場合に比べて大幅にコストを抑えることができました。
クーリングタワーの修理・メンテナンスは、姫路工場保全・メンテナンス技術センターにお任せください。
いかがでしたでしょうか。今回は、クーリングタワーのよくある故障原因からメンテナンスの項目についてご紹介しました。姫路工場保全・メンテナンス技術センターでは、クーリングタワーの修理実績が多くございます。クーリングタワーの修理、メンテナンス業者をお探しの方はお気軽にお問合せください。