工場で欠かせない搬送設備である天井クレーンは、長期使用により摩耗や劣化が発生することで様々な故障やトラブルが発生するリスクがあります。本コラムでは、天井クレーン修理工事の基本知識から、よく発生する故障内容、修理工事の内容までを詳しく解説します。
天井クレーンの概要
天井クレーンとは、工場や倉庫で重量物を効率的に運搬するためのクレーン設備の一種です。建屋の上部に設けられた走行レール上を移動する構造を持ち、ホイスト(巻上機)によって荷を吊り上げて運搬します。設置スペースを有効活用できる点が大きな特徴です。
また、天井クレーンは「橋形クレーン」や「ホイスト式天井クレーン」など、用途や規模に応じて複数の種類に分類されます。これらは、荷重能力、スパン長、走行速度などの仕様により性能が異なります。
一方で、長期間の運用により構造部材やワイヤーロープ、ブレーキなどに摩耗や疲労が蓄積します。特に高頻度で使用される工場では、定期的な点検や修理を怠ると重大な事故に繋がるリスクが高まります。
そのため、労働安全衛生法やクレーン等安全規則に基づく定期検査が義務付けられています。
>>【関連コラム】天井クレーンの法定義務に基づく定期自主点検について解説
天井クレーンでよく発生する故障やトラブル
モーターの焼損・過熱
クレーン修理で特に多いのがモーターのトラブルです。長時間の稼働や過負荷運転により、モーター内部のコイルが過熱し、絶縁劣化や焼損を引き起こすことがあります。電圧の不安定や冷却ファンの故障も原因の一つです。定期的に温度監視を行うことで早期発見が可能です。
ワイヤーロープの摩耗・断線
ワイヤーロープは荷を吊る主要部品であり、摩耗やささくれ、素線切れが生じると重大な事故に直結します。特にロープがドラムに巻き取られる部分や滑車との接触部で摩耗が進みやすい傾向にあります。使用回数や荷重履歴を記録することが、劣化予防に重要です。
ブレーキの効き不良
ブレーキは荷を安全に停止させるための重要部品です。長期間の使用で摩擦材がすり減ると、停止距離が延び、荷の落下事故につながる恐れがあります。油や粉塵による汚れも効きを悪化させる要因です。点検では、摩擦板の厚みと制動力を重点的に確認する必要があります。
電気系統の断線・接触不良
電源ケーブルや制御回路の断線、リレー接点の摩耗など、電気系統の不具合も多く報告されています。特に古いクレーンでは配線の劣化や端子の緩みが進行しており、誤動作や停止の原因となります。接触抵抗の測定やケーブル交換が早期対応のポイントです。
制御装置・リミットスイッチの故障
過巻きや過走行を防止するリミットスイッチは、安全制御の要です。内部スプリングの破損や接点不良が起きると、危険領域まで動作してしまうことがあります。制御盤やセンサーの清掃・交換を含めた点検が欠かせません。
よく発生するトラブルや故障に対する工事内容の紹介
モーター交換工事
モーター焼損や絶縁劣化が見られた場合は、再巻線や新品交換による修理工事が実施されます。絶縁抵抗測定を行い、基準値を下回る場合は早急な交換が必要です。近年では、省エネ対応の高効率モーターへの更新も増えています。
ワイヤーロープ交換工事
ワイヤーロープに素線切れや摩耗が確認された場合、メーカー推奨基準に基づき交換を行います。ロープ径や張力調整を正確に行うことで、荷の安定性が向上します。交換時は滑車やドラムも併せて点検し、摩耗状態を確認します。
ブレーキライニング交換・調整
ブレーキの効きが低下している場合は、ライニングの交換とブレーキギャップの調整が必要です。摩擦材を新品に交換し、バネ圧を適正に設定することで制動性能が回復します。また、油分や粉塵を除去することで長寿命化が期待できます。
電気系統の修理工事
断線や接触不良が発生している箇所は、配線の引き直しや端子の再圧着で修理します。制御盤のリレーやタイマーを最新型に交換することで、故障率を大幅に低減できます。電源ラインの絶縁測定も重要な工程の一つです。
制御装置・安全装置の更新工事
古い制御盤を最新のインバータ制御やPLC制御へ更新する工事も行われます。これにより、荷の揺れを抑えたスムーズな運転や省エネ運転が可能になります。また、無線リモコン化工事を併せて行うことで、作業効率と安全性が向上します。
当社の天井クレーンの修理工事事例のご紹介
ホイストクレーン点検・修理

製造業のお客様からホイストクレーンの年次点検をご依頼いただき、現地にて点検を実施したところ、チェーンの破損が確認されました。安全な運用を確保するため、速やかに修理対応を行い、現場確認から点検・修理完了までを一貫して迅速に対応いたしました。その結果、お客様からも大変ご満足のお声をいただいております。
ホイストクレーンの年次点検

製造業のお客様の向上において、労働安全衛生法で点検が義務付けられているホイストレーンの年次点検工事を実施いたしました。クレーンの各部品に損傷や摩耗、性能の低下などがある場合重大な事故につながる可能性があるため、ワイヤーロープ、吊り具など各部品を入念に点検いたしました。
天井クレーンの点検から修理工事は姫路 工場保全・メンテナンス技術センターにお任せください
いかがでしょうか。今回は、天井クレーンのよくある故障、トラブルから修理工事についてご紹介しました。姫路 工場保全・メンテナンス技術センターを運営する株式会社高原商店では、クレーンの点検、修理工事から入替工事など豊富な実績がございます。お困りの方はお気軽に当社にご連絡ください。